"義肢装具士の臼井さんが言うには、義足のランナーは、みんな義足であることを乗り越えた人たちで、こんなに堂々と義足であることを見せられる人はそんなにいない。ランナーたちは、それが当たり前になっているし、家族もそれを自然に受け入れている。しかし一般的な義足使用者では、自分の義足が恥ずかしいというよりは、周囲が気を使ってしまうリアクションが嫌なので、見せないという人が多いんです。相手が目を背けるとかならまだ良い方で、同情されて可哀想だとか言われるとつらいので、見せないようにしているそうです。 それを「これでいいんだ」と、頭の中で切り替えられて、まわりの人の見方も変わる場所として、陸上競技がある。そういうことが我々にも理解できたので、それならデザインがそれを助けることはできると思ったんです。心理的に、自分の内的なものもアピールし、存在感を高めるためのモノというのは、デザインしやすい。 『かたちだけの愛』の中にも出てくるファッションショーという場も同じように晴れの場だなと思いました。"